理学療法(PT)
当院の理学療法利用者は高齢者のうえ、長期臥床や発症からの時間経過も長く、関節の拘縮や変形、寝返り・起き上がりなどの基本的動作が困難な方も少なくありません。
その為、車椅子から容易に移乗できるよう40cmの高さに畳やマットを20数枚敷き、関節可動域運動、基本動作の練習などを行っています。また、室内中央の柱を利用して四面に鏡を設置し姿勢の保持やバランスなどの訓練も行っております。
この他、呼吸器や心肺機能に障害を持っている患者さんや高齢者も多いため中央に酸素パイピングが設置されており、呼吸リハビリテーションや排痰の困難な患者さんの吸引も可能になっております。
作業療法(OT)
作業療法を行っている入院の患者様の多くは、脳血管障害に痴呆症状を併せ持つ病状です。場所や季節等が理解できない患者様も多く、病棟の看護助手や、介護福祉士の助けをかり、作業療法室にきています。
高齢のため意欲の低下はありますが、QOLを向上し、よりよい生活が送られる事を目標に治療を行っています。
作業療法室では、日常生活動作の能力を検査し、座位での作業の耐久性や上肢の動きを評価し、治療課題を設定します。そして段階付けを行いながら個別での治療を行っています。
物を作ることの喜びや楽しい時間の共有を通し、生きがいの再発見も行っています。
集団での対人交流は、意欲を引き出すことや、周りの環境を意識する事につながります。
作業療法士がリードしながら体操やレクリエーションを個別治療以外の時間で行っていますが、意欲の低下があり、隣に座る人をまったく意識しないことも多く見られます。
しかし、集団の活動を通し他人の様子を見ながら自分の役割を発見する、他人のことが気になる、他人へちょっとした手伝いができるなど、個々に変化の大きい集団活動となってきています。
言語聴覚療法(ST)
「ことば」や「きこえ」の障害は様々な原因で、どなたにも起こる可能性があります。
脳卒中や脳腫瘍、外傷などで脳に損傷を受けると色々な言語障害が出現します。
なかでも、構音障害と失語症は出現する頻度が最も高い障害です。
構音障害は声帯や口唇、舌など発声や発音を司る器官の運動障害です。これに対して、失語症は脳に蓄えられた言語を運用する能力の障害によって生じます。
その障害は話しことばだけにとどまらず、必ず、聴くことや読むこと、書くこと、そして計算することにまで及びます。失語症は構音障害と異なり、話しことばの代償手段として、ワープロや五十音表、筆談を用いることは、多の場合困難な状況です。
当院では、平成12年6月に言語聴覚療法室を開設し、これらの障害に加えて、難聴や長期臥床の結果、コミュニケーション活動全体が停滞した患者様も言語聴覚療法の対象とし、幅広く患者様のニーズに対応しておりす。
現在、言語聴覚士は5名で個別療法室を3室、かつ集団療法室を1室有し、言語聴覚療法を行っています。
-
摂食機能療法
-
言語聴覚療法室(集団療法室)
-
失語症患者様に対する言語療法
-
嚥下体操
訪問リハビリテーション
病院や施設を退院され、在宅での生活に不安がある方に対して、理学療法士が訪問によるリハビリテーションを行っております。
当院では、介護保険の被保険者を対象に行っております。